性友
あの人の指使いが好きだった
あの人の舌使いが好きだった
あれほどまでに私を叫ばす人に
今後私は出会えるのだろうか
私は満足だった
いそいそと会いに行き
そして全てをさらしていた
その舌使いを欲し
その指使いを欲し
どこまでも落ちていった
私はその性友によって
新しい快感の扉を開かれたのだ
そしてある日私は
唐突にそれを放棄した
今は
その快感を覚えた身体を
一人で慰める
あの舌を
あの指を
頭の中で動かしながら
私はただ果てるだけの行為に
没頭するのだ
私の背中を這う貴女の舌を
もう一度求める術など
「何もない」という現実に
ただ私は絶望と安堵を覚えるのだ