人知レズ

ひっそりと生きて行く。
ただ穏やかな日常があればいい。

濃人

貴女との恋愛を

なんと呼べば良いのだろう


ただただ

濃い時間を共に過ごしたのだ


私にしては珍しく

対等よりも従順が心地よく

まあそれも

長続きするわけもなく

それでも凝縮された

心地のよい

濃い時間を過ごしていた


時に激しく言い合いをし

無駄に傷付けあったこと

あれこそが

私の本来の姿なのであろう


飾った言葉と

耳触りの良いフレーズで

優しさのヴェールを纏っていても

貴女には通じなかった



貴女の

その激しい嫉妬心さえなければ

私達の濃い時間は

永遠に続いていたかもしれない


互いを束縛することに

なんの意味もない


私はただ

新しい体験を重ねたいのだ


あらゆる角度から

まだ私が新鮮であるうちにはそのような

熟した時期を迎えればまたそのような

日々変わり行く自分の変化に

私は逆らわない


永遠が輝きを伴わないのであれば

私は一瞬の煌めきを続けることを

なんのためらいもなく選ぶのだ


濃人よ

濃人だった人よ

貴女の幸せが

私の幸せであることに間違いはない