発情
過去を回想する時
私は必ず濡れてしまう
恋人達との情事が
頭の中で暴れ出す
その滑らかな接触は
私自身が女であることの悦びの
すべてであると断言できる
私は男という性を
決して否定しない
ただその性は
私の欲望を満たせないだけだ
私は女性の滑らかな肌が好きなのだ
そして悦びの声を
絡め合う素晴らしさを知っている
今また私は濡れている
私は心の通わない営みも
ただ営みとして受け入れられる
それはファストフードに似ている
ただ欲を満たすだけだ
今の私はそれでいい
今はただ
欲を満たすだけでいい
滑らかな肌と
狂おしい喘ぎが聴けるなら
心なぞ通ってなくていい
私の発情なんてそんなものだ